不揃いの調和の美

みんな違う。だから美しい。

たとえ同じ木からとれた木材でも、その色や木目にひとつとして同じものはありません。この「不揃い」こそが天然素材の証。
だからこそ、その配置にも絶妙なバランスが求められます。熟練のクラフトマンが材色の濃淡、木目やキャラクターを見極めながらピースを組み合わせ、心地よい印象を与える最良の「不揃い」をデザイン。機械ではけっしてつくり出せない、自然なばらつきから生まれる美しさをお楽しみください。

心地良い「不揃いの自然さ」を表現

生物材料である木材は、同じ原木でも1 本1 本、また1 本の中でもその材色や木目が異なります。この「不揃い」こそ天然素材であることの証であり、生物材料の木材ならではの特長です。しかし、「不揃い」も過ぎるとデザイン的に好ましくないケースも。実は、見た目に自然な、心地良い印象を与える「不揃い」の程度には最適範囲が存在します。ライブナチュラルプレミアム、ライブナチュラルでは、熟練のクラフトマンが多様性を制御しながら、「不揃い」のバランスの良さを引き出しているのです。

不揃いの自然さ[ハードメイプルの材色の巾]
同じ樹の種類でも、その樹から採れる材の色には巾があります。
下のグラフはハードメイプルから採れる材の赤みの濃淡別の出現率を表すグラフです。

銘木を活かす板子の組み合わせ12ピースのトータルバランス

原木は、1 本1 本、また1 本の中でも、その材色や木目が異なります。特に、ライブナチュラルプレミアム、ライブナチュラルに使用している材は、バラツキが大きくなります。そのことが原因で、フロアが施工された後、1×6 フロア間の色違いや、1×6 フロア内の不自然な色違いが問題になります。
このような問題に対し、当社では、伝統技能を生かし、原木調達~原木保管~製材~積層~切削の各工程で、板子のピースをバランス良く組み合わせる管理を行っています。1×6 フロア3 P タイプでは12 ピース使用します。この12 ピースのトータルバランスにより、印刷シートでは表現できない、自然の銘木の良さを表現した、銘木化粧フロアをご提供致します。

木質フローリングの色違いのシミュレーション

図版参考 : 仲村匡司「木材と感性」1997木材保存より
不揃いも過ぎるとデザイン的に好ましくない場合もありますが、ある程度の色揃え、柄揃えがあれば、適度に不揃いであることは見た目の自然さに寄与します。上図は木質フローリングの色違いをシミュレーションしたものですが、見た目に「自然な」「床らしい」印象を与えてくれるパターンには構成ピースの明暗の不揃い(ばらつき)の程度に最適値が存在していることがわかります。北欧のある木質建材メーカーでは、日本向けの製品について自国向けよりも厳しく色・柄揃えを管理しているそうです。私たち日本人は「揃っていること」に対して非常に敏感な国民ということのようです。しかし本当に大切なのは、①木材が見た目にも材質的にも多様性に富む材料であることを認識し、②必要があればその多様性を制御し、③「不揃い」の良さを引き出して活かすこと、だと言えます。